法人成りした事業主の「どうする?」…個人借入金を会社名義に!

一部の個人事業主にとって、法人成りすることは、成功への道で、ただ、法人成りしたのは良いけれど、それまで個人で借りていた事業資金を、法人の借金ということにしたい、という、元個人事業主の方もいらっしゃると思います。

このようなケースでは、重畳的(併存的)債務引受という方法が可能です。これは、特定の債務者がいる借金において、その債務者を増やす手続きで、自身の債務が消えることはありませんが、法人の側にも、その責任を負わせることができます。ただ、何か担保などを設定していた場合でも、この方法では担保が消失しませんから、その点には注意が必要です。

別の方法では、とりあえず会社名義で新たに借入をして、個人名義の借金を返済してしまうという方法があります。こちらの場合は、完全に会社名義の借金にすることができる一方、ご自身の借金が残っているために、審査に通らないという危険性もあります。また、このような方法で借りたとしても、多くの場合、連帯保証人になる必要がありますので、そういう意味では、重畳的債務引受のほうが、手続きが煩雑ではなく、良いかと思います。

会社の借金ということになると、社員の同意が必要、と言われることがあるかもしれませんが、この「社員」とは、出資者という意味であり、あなたが雇っている人を含みません。株式会社であれば、株主総会での同意決議、有限会社であれば、他の出資者の同意で問題ありません。

また、これ以外にも、個人からの借入金として記帳し、扱うという方法があります。又貸しということにはなりますが、帳簿の上で、簡単に処理できる形になります。

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